原子爆弾とは〜注16

公開: 2019年8月14日

更新: 2019年8月xx日

注16. 遅い中性子を利用した核分裂の研究

天然ウランに中性子を当てて、高速な中性子を生み出し、それによって次の核分裂を引き起すために、重水なの減速材を使う核分裂の研究は、小型の爆弾を作るためには不向きであり、現実的ではありません。このため、ウラン235に高速中性子を当てて核分裂を連鎖的に起こす、方法が考えられました。

しかし、その遅い中性子を利用した核分裂で、人工的な物質であるプルトニュウムと名付けられた物質が生まれることが分かりました。このプルトニュウムは、天然ウランに99パーセント以上の割合で含まれているウラン238から生み出されるので、ウラン235よりも大量に作り出すことができます。このプルトニュウムも核分裂が起きるので、原爆を大量に作り出す材料として有望でした。イギリスの使節団は、この点を見落としていたわけです。

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